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【映画ネタバレ感想】『アリスとテレスのまぼろし工場』「未来はあなたのものよ、でも、正宗の心は私のもの」(CV.上田麗奈)が物語のすべて

『アリスとテレスのまぼろし工場』ネタバレあり感想です!

哲学要素やメタファーなども幾分か含まれているであろう本作ですが、あくまで個人の感想ですので、考察等は含みません。※小説版は未読ですので、解釈にズレがあるかもしれませんが悪しからず💦

 

 

 

 

予告PVの時点からMAPPAの神作画が炸裂していたので、気になって見に行ってまいりました!

 

脚本・監督を務めるのは、2000年代初頭~アニメ脚本で名前をよく見る岡田麿里さん。最近では劇場アニメだと、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『空の青さを知る人よ』などの脚本も担当されていますね。

 

この方は多感な思春期少年少女のじれったいモヤモヤ感を気持ち悪いくらいに絶妙に表現してくる笑

 

ところで皆さん!P.A.WORKS初期の名作『true tears』はご存知でしょうか?

約15年前に岡田麿里さんが脚本に携わったアニメです。(どおりで歳を取るわけだ…)

 

思春期モラトリアム主人公+訳あり拗らせ美少女ヒロイン+電波系ロリヒロイン=地獄の三角関係+幼馴染もいるよ!

 

という内容(語弊のある要約)なのですが、本作も上記要素をそこはかとなく感じました笑

 

話を戻して、『アリスとテレスのまぼろし工場』

 

あらすじ

主人公(菊入正宗)たちの住む見伏の製鉄所で、ある日爆発事故が発生する。それを境に時が止まり、居住地の外へ出ることもできなくなった。住人達は「このまま何も変えなければ、いつか元に戻れる」と信じ、変化を悪とし生活を続ける。そんな中、菊入正宗は同級生の佐上睦実に導かれ、感情剥き出しの野生の狼のような謎の少女(五実)と出会う。この少女は、時の止まったこの世界でただ一人だけ成長し、特別な存在として、長い間閉じ込められていた。

二人の少女(佐上睦実・五実)との出会いと日々は、世界の均衡が崩れるはじまりだった。止められない恋の衝動が行き着く未来とは?

ここから本筋に関わるネタバレ(念のため伏字)

製鉄所の爆発事故によって被災する見伏。そんな見伏へ製鉄所の神様?は寂寞の思いに駆られ、まぼろし(留まらせてしまった世界※私的解釈)を創りあげる。しかし、そこに抗えない現実世界(時が正常に過ぎた世界)が干渉を始め、ヒビ割れを起こし、それは徐々に大きく侵食を進めていた。ヒビも含め、”変化”によってもたらされる秩序の崩壊を守らんとする神機狼(しんきろう)というSFじみた存在も登場する世界観。崩壊が広がる中で、まぼろしに住まう”自分”とは何者なのか?と人々の葛藤が繰り広げられる。夢や恋や後悔など、突き動かすものは人それぞれ。そして五実というイレギュラーな現実世界から来たキーパーソンの存在がさらに物語を大きく動かしていく。まぼろしはいつか崩壊する。五実は”未来”のために現実世界へ帰さなければいけない。そのために主人公たちは奔走していく。

↑ここまで

 

本作でのメインの“変化”は”恋をすること”

五実は正宗に恋をしたと睦実より語られますが、率直に一言…

 

五実っていつ正宗のこと好きになった?

 

この映画の最大の疑問点でありモヤりポイント。

お世話してもらってたから…?

一緒にいる時間が多かったから…?

なんやかんやあってからの正宗と睦実の尺長めなキスシーンを目撃して出た発言も『…なかまはずれ。』なんですよね。

恋に恋する女の子ってこと…?(困惑)

あと、生々しくなるからなのか、唯一成長しているはずなのに五実の知能レベルが子どもすぎる。その感じで急に恋愛うんぬん出されてもついていけず💦

 

主人公&ヒロインの恋模様はというと、

正宗は序盤から、不特定多数が閲覧できるプロフィール帳もとい、<自分確認票>の〝嫌いな人〟の欄に名前をがっつり書き込んでいるくらい睦実のことめちゃくちゃ意識しているのはわかります。(これだから思春期は…)

睦実においては、現実世界(時が正常に過ぎた世界)での正宗(五実)との関係性に勘づいており、それでも今(まぼろし内)の自分を肯定したい気持ちもあってか恋する心に素直になりきれていないご様子。(これだから思春期は…part2)

※もう何年も思春期しているはずだ、面構えが違う

 

と、まぁそんなところで細かいことは一旦置いておきましょう…

物語の終盤、五実を現実世界に帰さなきゃ!あの列車に乗せたろ!乗せたら現実世界に帰れるはず!!って勢いで締めてきたのも雰囲気で易々と受け止められます。そして列車内での正宗を巡る少女二人の緊迫したやり取り。

 

「正宗が死ぬときに思い出すのは私のこと、私が死ぬときも思い出すのは正宗のこと」(by睦実)

※確かこんなことを言っていた

 

圧倒的なセリフ回しで睦実が五実の初恋心をグサグサと攻撃していきます。決して叶わないことがわかっているからこそ、敢えて過激に言い負かす優しさを感じました。この二人のやり取りで、私の心がスッキリしないのは禁忌の一端を見せられているからなのか…今思えば、「てめぇ!やっぱオスかよ!」は倫理的意味のある嫌悪感…(ここのネタバレはぜひ、映画館でお確かめいただけると嬉しいです)

 

感情の赴くままに書いてきましたが、オリジナル劇場アニメとしては好みがはっきり分かれる印象の本作。最終的に、正宗、睦実、五実の関係性を知ってしまうと物語全体を通して、見てきたものに少し抵抗を覚えたのが本音です💦

しかし、エンドロールで主題歌の 「心音(しんおん)」が流れると、この映画は”美しい”そう思えたのも事実。

 

 

中島みゆきさんが岡田麿里さんと『アリスとテレスのまぼろし工場』という作品に対してリスペクトの気持ちが込められている1曲。世界観そのもので素敵でした。今回の劇場アニメも含め、岡田麿里さんにしか出せない魅力に惹かれて、優秀な制作陣が集まるのは、やはり才能(人徳)をお持ちなのでしょう!

 

拙い感想でしたが、お付き合いいただきましてありがとうございました!

 

最後に…

恋はSWEET PAIN!!(青春ってなんでも言えちゃって怖い)

 

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